クライシス・プラン(CP-J)

研究会

ークラプラネットー

本研究会について

精神医療保健福祉を利用する患者さんや利用者さんと支援者とが協働して、希望や目標に向かうためのツール「クライシス・プラン(CP-J)」を普及、啓発、学ぶためのサイトです。

※CP-Jは「Crisis Plan - Japanese versionの略称です」

会員数990名(2024.4)


<お知らせ>

2024.4.5危機がチャンスに変わる クライシス・プラン入門: 精神医療・保健・福祉実践で明日から使える協働プランが発売されました!クライシス・プランの作成・活用に興味がある方が実践できる内容になっています。ぜひ手に取ってみてください。

2024.3.10 今後の予定として、下記の危機がチャンスに変わる クライシス・プラン入門: 精神医療・保健・福祉実践で明日から使える協働プラン」をテキストとして、オンライン学習会を開きます(会員限定)。詳細は今後、会員向けのメーリングリストにてお伝えします。

2024.1.27 当会の狩野俊介さん・野村照幸さんが編者となり、当会の会員が中心となって執筆したクライシス・プランの入門書「危機がチャンスに変わる クライシス・プラン入門: 精神医療・保健・福祉実践で明日から使える協働プランが発売されます。

我が国初のクライシス・プラン(CP-J)のみを扱った入門書であり、多数の実践事例が掲載されています。また、医療に限らず、教育や福祉といった領域、そして発達障害や依存症、自殺といった事例についても掲載されており、手にとって、明日の実践から役立つエッセンスが詰まっています。4月上旬発売予定です(現在は予約受付中です)。

2023.12.30 当会の野村照幸さんの論文が「精神神経学雑誌」に掲載されました。

野村照幸:クライシス・プランによる協働的な病状管理-リカバリーに向かう協働計画-.精神神経学雑誌. 125 (12): 1058-1065, 2023

2023.11.22 当会の狩野俊介さんと野村照幸さんの論文が「精神科治療学」に掲載されました。

狩野俊介・野村照幸:精神保健医療福祉専門職を対象としたクライシス・プラン研修プログラムの効果に関する研究─研修プログラム参加者を対象とした前後比較─.精神科治療学, 33(11), 2023. 

2023.11.3 会員数が900名を超えました

2023.6.16 会員数が800名を超えました

2023.4.15 研修会案内を更新しました(1件)→定員に達したため、申込みを終了いたしました(2023.4.20)

2023.2.16 会員数が700名を超えました

2022.8.11 研修会案内を更新しました(1件)

2022.6.23 狩野俊介先生による研修会を実施しました

2022.5.28 研修案内を更新しました(1件)

2022.5.27 当会の野村照幸さんが6月17日の「第118回 日本精神神経学会学術総会」で発表を行います

 6月17日にシンポジウムとして

「医療観察法医療における治療技法‐一般臨床への般化・還元をめざして」

メインコーディネーター, 田口 寿子 サブコーディネーター, 五十嵐, 禎人

司会, 田口 寿子, 五十嵐禎人

シンポジスト, 竹田 康二, 久保 彩子, 野村照幸, 下里 誠二

 が行われます。医療観察法から一般精神科医療への汎化としてクライシス・プランについて話題にします。

2022.3.30 クライシス・プラン(CP-J)の作成と活用 -基礎編-」研修会を行いました

 当日は70名ほどの会員が参加してくださいました! 

2022.3.29 会員が500名を突破しました!

2017年に発足し、5年で500名を突破しました。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

2022.3.12 令和4年度の診療報酬改定にクライシス・プランに関係する内容の記載があります


「令和4年度診療報酬改定」における「療養生活継続支援加算」において、支援計画書作成において「“包括的支援マネジメント実践ガイド”を参考にすること」とあり、このガイドの中にクライシス・プラン(緊急受診・相談面接のプラン)の記載あり

※ただし、包括的支援マネジメント実践ガイドで紹介されているクライシス・プランは病状悪化時に特化されたプランであり、クラプラネットが広めている”安定状態の維持”、"日常的なコミュニケーションツールとしての使用”を含んだプランのほうがより効果的に活用できる可能性があります。

2022.2.15 当会の野村照幸さんと村杉謙次さんの論文が掲載されました

・野村照幸, 森田展彰, 村杉謙次, 大谷保和, 斎藤環, 平林直次:医療観察法入院処遇クライシス・プラン作成研修プログラムの開発と効果検証.精神医学 64(2), 219-230, 2022年2月

2022.1.27 当会の野村照幸さんと大鶴卓さんの論文が掲載されました

・野村照幸・大鶴卓:統合失調症の服薬アドヒアランスにおける支援方法──クライシス・プランによる協働的な病状管理. 臨床精神薬理, 25(2) 139-147 2022.

2021.11.27 当会の狩野俊介さん(岩手県立大学)と野村照幸さん(さいがた医療センター)の論文が掲載されました

・狩野俊介・野村照幸:精神科病院と地域援助機関におけるクライシス・プラン項目の重要性認識に関する研究. 精神科治療学, 36(11), 1335-1342, 2021.

2021.11.1 研修案内(クラプラ全国研修会)を更新しました(1件)

2021.10.6 研修案内を更新しました(1件)

2021.6.9 研修案内を更新しました(1件)

2021.5.31 研修案内を更新しました(2件)

2021.4.16 会員の狩野俊介さん(岩手県立大学)と野村照幸さん(さいがた医療センター)の論文が掲載されました

・狩野俊介, 野村照幸:精神障害者の地域生活支援におけるクライシス・プランの実践に関する実態調査. 八戸学院大学紀要, 62, 153 - 171, 2021年3月. 

・狩野俊介, 野村照幸:精神障害者支援のためにクライシス・プランを用いた事例の類型化とその効果. 精神医学, 63(4), 515 - 526, 2021年4月.

なお、Facebookでも情報をお伝えしています。

FACEBOOK

クライシス・プラン(CP-J)とは

 クライシス・プランは「安定した状態の維持、また病状悪化の兆候がみられた際 の自己対処と支援者の対応について病状が安定している時に合意に基づき作成する計画」(野村照幸, 2017)と示されており、近年は精神科医療保健福祉において注目が集まっています。

 我が国でも研究が積み重ねられつつありますが、海外においては強制入院率を下げる介入についてのメタ分析を行った論文1において、Self-managementやCBT for psychosis, ACT(Assertive Community Treatment) など複数の介入方法のRCTを比較し、その中でもクライシス・プランについて、「クライシス・プランは強制入院を防ぐ上で最も有望である」と結論づけています。

 れはクライシス・プランが当事者と支援者との協働的な病状管理に役立つからであると考えられ、具体的かつ実効性の高いツールであることを示すものと思われます。

 一方で、「病状管理」が当事者の方の目標ではありません。安定した状態を保つこと、そしてその人なりの希望や目標に向かっていくこと、そのための手段としてクライシス・プランは有用性を発揮すると考えます。

 当会ではクライシス・プランが当事者の方の人生をご本人と支援者とが協力し合うためのツールになるよう育てていきたいと考えています。ぜひ一緒に学び、取り組み、育てていきませんか?

 1) Bone, McCloud, Scott, et al. Psychosocial interventions to reduce compulsory psychiatric admissions: a rapid evidence synthesis. E clinical Medicine, 10 , 58-67, 2019.

WRAPにおけるクライシスプランと当会が紹介するクライシス・プラン(CP-J)の違い

  「WRAP(ラップ)」とは、Wellness(元気)、Recovery(回復)、Action(行動)、Plan(プラン)の頭文字を取ったものです。毎日を元気で豊かに生きること、さらに、気分を乱すような状況への気づきを高め、調子が悪くなったときに回復を促す行動プランです。その中にもクライシス・プランが含まれます。

  WRAPは1997 年にCoplandを中心としたアメリカの精神的な困難を抱える当事者らによって作られたセルフケアのためのツールで、リカバリーの潮流の中で注目されてきました。WRAP は自分の心身の状態を把握し、自分に合った対処プランで辛い症状を軽減・予防し、目標に向かって取り組む系統だった手法です。WRAPのクライシス・プランはここで紹介しているクライシス・プラン(CP-J)と重なる部分がありますが、ここで紹介しているクライシス・プランはイギリスの当事者団体による権利擁護のためのツールから発展してきました。

 WRAPのクライシス・プランとここで紹介しているクライシス・プラン(CP-J)とで最も異なっているのはWRAPのCPはセルフケアのためのツール(自助)ツールであり、他者と共有することはありますが、必ずしも医療や福祉などの専門的支援者と共有する必要はありません。一方で、ここで紹介しているクライシス・プラン(CP-J)は医療や福祉の支援者と協働して作成し、共有します。つまり、WRAPが当事者の「I(私)」のプランであるのに対して、ここでのクライシス・プラン(CP-J)は当事者と支援者の「We(私たち)」のプランと位置づけることができ、クライシス・プランを当事者自身、あるいは家族や支援者と一緒に確認し、状態に応じた対処や対応を行っていきます。

  どちらが優れているといったことはなく、WRAPもクライシス・プラン(CP-J)も患者さん・ユーザーにあった選択肢になることが重要と考えられます。

上記のようなフォーマットも本研究会に入会すると共有可能です

研究会の活動

1.メーリングリストによる情報交換や情報共有

フォーマット等の共有

・研修会に関する情報共有

・実践報告や研究報告

・意見交換

など

2.研修会の開催

・各地での研修会 / 勉強会

・研究会メンバーによる全国研修会  

・研修講師の紹介

など

3.研究支援

・研究チームの発足

・文献の紹介

・研究アイデアや方法の助言 

など

4.精神医療保健福祉への普及

・ワークブック作成

・研修講師・普及キーパーソン養成

・診療報酬化に向けたアプローチ     

 など

入会案内

入会金・年会費ともに無料です。費用はかかりません。

以下のフォームよりご登録ください。

入会フォーム

近年の動向

2014年 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律(以下、改正精神保健福祉法)」における参考資料に記載(改正精神保健福祉法における医療と福祉の連携充実と都道府県の人材育成のためのテキスト:第2章 改正精神保健福祉法における医療と福祉の連携)

- 退院促進のためのフローチャートの中にクライシス・プランが組み込まれた


2016年 日本医師会による「長期入院精神障害者に対するアウトリーチを含めた地域移行のあり方」についての答申に記載

- 長期入院を経験した患者さんの退院後のアウトリーチの計画書とともにクライシス・プランが必須であるとの提言


2018年 「地方公共団体による精神障害者の退院後支援に関するガイドライン」における推奨項目として“病状が悪化した場合の対処方針”の記載

- 名称は異なるが、実質的には改正精神保健福祉に関する資料で紹介されているクライシス・

プランと同様のものであり、多機関・多職種連携のために有用なツールとして紹介


2020年 「令和2年度診療報酬改定」における「精神科退院時共同指導料」「療養生活環境整備指導加算」において、算定要件に「“包括的支援マネジメント実践ガイド”を参考にすること」とあり、このガイドの中にクライシス・プラン(緊急受診・相談面接のプラン)の記載

- クライシス・プランが多機関・多職種連携における緊急時対応のツールとして紹介


2022 「令和4年度診療報酬改定」における「療養生活継続支援加算」において、支援計画書作成において「“包括的支援マネジメント実践ガイド”を参考にすること」とあり、このガイドの中にクライシス・プラン(緊急受診・相談面接のプラン)の記載

- クライシス・プランが多機関・多職種連携における緊急時対応のツールとして紹介

事務局・連絡先

会長

 野村 照幸

 新潟医療福祉大学

心理・福祉学部  心理健康学科  教授(公認心理師・臨床心理士・博士)

事務局

 狩野俊介

 東北福祉大学

 総合福祉部  社会福祉学科  准教授(公認心理師・博士)

連絡先

 crisisplannetwork(アットマーク)gmail.com

 since 2017